リフォーム・リニューアル調査から(2020年10~12月/令和2年度第3四半期)

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今回のWAT REPORT では、国土交通省による「建築物リフォーム・リニューアル調査」をもとに、リニューアル工事の市場動向をお伝えします。

リフォーム・リニューアル調査は、5,000者の建設業許可業者を対象とした調査で、2018年以降、4半期ごとに集計しています。

概要

調査によると、2020年10~12月の建築物リニューアル工事受注額は、2兆5,966億円(前年同期比14.4%減)。非住宅建築物の受注高は1兆7,144億円(同21.4%減)でした。
また、このレポートでは、調査結果まとめのほか、2020年4月以降の非住宅建築物のリニューアルについて、新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえた、建物の用途別4半期ごとの受注高推移も説明します。

建物の用途別に見た新型コロナウイルス感染拡大の影響まとめ

2020年4月の緊急事態宣言以降、新型コロナウイルスの感染拡大により、民間設備投資の手控えが起こり、リフォーム・リニューアル工事の受注額も減少しました。
物販店舗のリフォーム・リニューアル投資受注の推移を見ると、2018年、19年では2,000億円以上で安定していたところ、2020年第1四半期以降、受注が急減しています。特に落ち込みの激しかった7~9月の第2四半期では、前年比3割強が減少しました。
10~12月の第3四半期にはやや持ち直したものの、以前のような増加傾向には遠く、経済の悪化や人流制限による物販店舗の売り上げ減による発注控えが続いていることが推測されます。

①-2 リニューアル受注高(物販店舗)

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表2-1

事務所のリフォーム・リニューアル工事受注額は、18年、19年には増加傾向を示していました。
緊急事態宣言が発令された4~6月の第1四半期には4,000億円台を割り込み、前年の7割程度まで減少しましたが、店舗に比べると落ち込みの幅は小さく、回復してきています。

①-1 リニューアル受注高(事務所)

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表2-1

生産施設・工場、作業場の受注も、事務所と同じ動きで推移しています。好調だった前年度から、新型コロナの流行が始まった第1四半期以降、受注額は大幅に減少しました。第2、第3四半期と、受注量は回復傾向にありますが、直近の年と比べるとまだ低い水準です。

①-3 リニューアル受注高(生産施設 工場、作業場)

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表2-1

医療施設のリニューアル受注額は、18、19年には月ごとのばらつきが大きく、4~6月の第1四半期には他施設と同様、3割程度減少しました。
7~9月の第2四半期には前年比2割増となり、第3四半期も前年比で見ると増加しています。

①-4 リニューアル受注高(医療施設)

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表2-1

非住宅のリニューアル工事は4~6月にもっとも激しい落ち込み、住宅は影響少ない

国土交通省によると、2020年10~12月の建築物リニューアル工事受注額は、2兆5,966億円(前年同期比14.4%減)でした。非住宅建築物の受注高は1兆7,144億円(同21.4%減)、住宅は8,822億円(同3.7%増)でした。
非住宅建築物のリニューアル市場は、新型コロナの影響で経済活動が停滞するなか、総じて減退傾向を示しました。
特に落ち込みが激しかったのが、4~6月でした。住宅は大枠で減少傾向はあるものの、上期のうちにほぼ前年並みの水準に回復しました。

②-2 リニューアル工事の受注高推移

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表1-1

②-1 リニューアル工事の受注高推移

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表1-1

非住宅の受注額は1兆7,144億円(前年同期比21.5%減)、住宅は微増した

2020年10~12月の非住宅分野におけるリニューアル受注額は、1兆7,144億円(前年同期比21.5%減)でした。大部分を占める、改装・改修、維持・管理は受注件数は前年同期とさほど変わらなかった一方、受注高が前年同期比2割減少しています。住宅は件数・受注高ともに微増しました。

②-3 工事種別 受注件数・受注高

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表1-2

建築工事業、電気・機械器具設置工事業で前年同期比のマイナス幅が大きい

非住宅では、建築工事業の受注件数が最も多く、職別工事業、管工事業、電気・機械器具設置工事業はそれぞれ4分の3程度でした。建築工事業は前年同期比49.7%減の4,054億円で、件数・受注高ともに大幅に減少しました。電気・機械器具設置工事業も、同17.3%減でした。

②-5 業種別 受注件数(非住宅)

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表2-2

住宅では、管工事業の受注件数が同89.2%増、受注高も前年同期比70.0%増の706億円と大幅にプラスになりました。

②-4 業種別 受注件数(住宅)

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表2-1

事務所の受注額が最も多い。コンクリート構造の事務所は前年同期比で減少

非住宅建築物のリニューアル工事の受注内容を、用途・構造別にみると、コンクリート構造(RC造、SRC造など)の受注額が前年同期比18.5%減の9,694億円、鉄骨造が16.9%減の5,941億円でした。
受注額が最も多いのは事務所でしたが、コンクリート系構造(RC、SRC造)の事務所で前年同期比17.6%減の2,859億円、S造で同20.8%減となっています。次に多い生産施設(工場、作業場)も前年より減少しました。

②-6 用途・構造別受注高

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表2-1

民間・公共とも非住宅建築物の工事受注額は2割減

非住宅建築物のリニューアル工事では、最も多い民間企業等からの受注額が1兆3,414億円(前年同期比21.8%減)、公共建築物のリニューアル工事受注額が2,936億円(同22.4%減)でした。

②-7 発注者別の受注高

参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表2-2

リニューアル工事が最も多いのは1991~2000年に建てられたコンクリート構造物

2020年10月~12月に発注されたリニューアル工事対象の建築物においては、1991年からの10年間で建てられた住宅が最も多く、受注額は1,328億円でした。非住宅建築物では、1991年から2000年に建てられたコンクリート系構造の建物が最も多く、続いて1981年から1990年に建てられたコンクリート系構造物でした。

②-8 建築年と構造別の受注高参考|国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査 四半期 公表資料 表2-5

※非住宅建築物においては建築時期のデータがないケースが最も多いため注意が必要です

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